多走行のキャンピングカーは買うべきなのか
多走行の車は、我々プロの世界の値付け、相場はかなり安くなります。なぜなら、理由は市場でなかなか受け入れられないからです。買う人が少なくなり、市場で安く売られるために、我々は安く買うしかない、そういった「つまらない」構図になっています。
しかし、この構図は世界でも日本だけといってもよい「馬鹿げた」構図です。世界では車は車、距離を乗ってあたりまえ、そういった道具的な考え方になっています。住宅もそうです。イギリスなどでは古い住宅にこそ価値が見いだされますが、日本は古くなれば単純に価値はありません。
ここ最近は、カーセンサー、グーネットも大きく影響しています。時代とともに、日本の馬鹿げた構図が改善されるどころか、ネット社会になって、より深刻な状況になっています。検索で車を探すとき、「5万キロ以下」、「10万キロ以下」と、簡単に絞り込み機能がついていることで、より差別を大きくしてしまう、問題が起きてしまっています。
なら、買取り屋のキャンパーハウスから言えばどうなのか。
5年、10年で、10万キロ乗った車は、非常にエンジンの調子が良い、そう言い切れます。なぜなら現代の車は、軽く30万キロを走るように設計されています。ですから、キャンピングオーナーのつわものが、「俺は距離を走るぜ」、そういっても輸送業界のプロから見れば、たかがチョイノリ程度の車になってしまうでしょう。それぐらい高い耐久性能を日本の商用車は持っています。だからゆえに、日本の車は、どんなに古くなっても高値で輸出されていきます。
そういった日本車のバックボーンがあって、架装されていますから、10万キロ、20万キロ乗っていても何も問題はない。そう言い切れます。逆に我々は、年数が経過しても、一万キロも乗っていない車を買い取る時の方が、タイヤバーストや途中でのエンストを気にするぐらいなのです。
ただし、軽自動車は、別物で、10万キロに近づいていくと、エンジン故障、ミッション故障が増えていきます。名前の通り、軽い車ゆえに、耐久性もありません。反感をもたれるでしょうが、致し方ないことでしょう。
また普通車でも、距離を極端に乗った車はさすがに故障とは向き合うことになります。どんな故障かといえば、様々なパーツ交換が必要になってくると考えてください。回転する部分、動く部分は、距離に比例して摩耗、傷んできます。ですからそういった部分を考慮して、カーセンサーやグーネットで距離が走っていない車と金額差を明確に割り出して、購入なさるとよいでしょう。50万円安い、70万安い、それだけ安いなら、万が一の故障は、その金額でカバーしよう、そういった割り切った買い方です。
面白いもので、我々の経験では距離を走った車は、意外に置きっぱなしの車より、雨漏れなどの車は少ない傾向があります。またあったとしても早期に気づいて手直しがなされています。置きっぱなしの車は、内部が腐食していたり、カビが生えていたり、それなりになおす際、手がかかる車も少なくありません。
ここまでお話しすると、距離を走った車のメリットはないじゃないか、そう思われると思います。しかし、そうばかりではありません。たとえ商用車といえども、キャンピングカーはフル積載の状態の車もあります。重量があることで、一般の車と違い、トランスミッションに大きな負担がかかっているのです。
そこで、キャンピングカーをお店で購入するとき、ミッションのへたりはないですか、そう、担当者に聞いてみてください。車に乗せてもらい、トランスミッションのへたりがあるかないか、ベテランの担当者であれば簡単なチェック法を見せてくれるでしょう。また、軽い試乗をさせてくれ、変則のショックも体感させてくれるはずです。常に重たい車を走らせているキャンピングカーです。多走行の車は、エンジンの調子が良い場合が多いのですが、トランスミッションが弱っている場合がそこそこあるのです。距離を走っていない車であっても、完全停止する前に、DからRにシフトチェンジする方のお車も傷んでいるケースがありますね。
多走行の車を買う時は、担当者にミッションのへたりがないことを確認すること、もし故障した時は対応してもらえるか、確認をしておくことが大切です。大型の輸入車、トラックベースの車などは、トランスミッションの修理ができる整備店はかなり限られてくるからです。
ミッションの修理はちゃんと対応していただけますか、そう確認して安心したうえで、それなりのお値打ち価格で購入しておいてください。
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キャンピングカーライターさんへお願い
昨今、キャンピングライターさんがばれないと思われるのでしょうか、著作権侵害、つまりパクリをおこなわれます。大変残念ですが、個人、法人、二名を刑事告訴させて頂き、書類送検をさせて頂きました。
さまざまな記事は私たちの経験から書かせていただいておるもので、警察対応では、ばれないと思った、そう言われます。無断転載、無断引用は重たい犯罪行為です。絶対にお止めください。